空とマンホール


俺の言葉にびくりと肩を震わせた結は、何も返事をしない。
ただ、見える耳は真っ赤で。

「結、」

俺の顔だって赤くなっていると思う。

「冗談きつすぎだよ、というか悪ノリ?」

結と俺の間に結の腕が置かれて、距離を取られた。
その顔は赤くはない。

「ごめんね、そんなに、気持ち悪かった…よね。でも大丈夫だから、もう全部返すから」

「…返す?」

「哲だけの家なのに、哲だけのママとパパなのに。ずっと取ってきて、ごめんね」

泣いていた。

拭うことはせずにボロボロと。

結の泣き顔を初めて見た気がする。