空とマンホール


結の口から出た言葉が頭の中で反響する。

好き、だった。

その思いは既に過去形になってしまっているらしい。

その小さい身体を腕の中に閉じ込めた。

小学生の時は殆ど変わらない身長は、今では俺の方が頭一つ分大きくて。閉じ込めた背中も肩も薄くて小さい。

同じ家で数ヶ月前は暮らしていたのに、そんなことに気付かない自分が馬鹿だ。

「哲…?」

戸惑った声が聞こえる。
それはそうだ。俺だって結だって、こんなに密着したのは初めてだと思う。

「俺は、今も好きだけど」

今更ながら心臓の音を聞かれている気がした。