一度息を吐く。落ち着け自分。 「夕飯、食べてって良い?」 「あ…うん」 普通の笑顔を見せたことに、平常心へ戻った。 母さんにそのことを連絡して、それから今日の昼に弁当を届けてくれたことを思い出す。 「あと、弁当ありがとう」 「わざとやったのかと思った」 「わざと?」 何をか、と聞く前に肩を竦めながら言った。 「あたしが来ないって思ってたから、仕掛けたのかなって」 ああ、そういう。 というよりそこまで頭が回らなかった俺は馬鹿だってことか。 図らずともそうなったことには感謝したいけれど。