いつの間にか 時刻は19時 夏が近づいてきてはいるけれど 日はまだ落ちるのが少し早くて 外はもう薄暗かった 「えっ?! い、いいよいいよっ! どうせ駅までだし…っ! それに そんなつもりだったわけじゃ…!」 あたしが焦っていると 隣の野口くんが 普段のクールさからは想像できない 優しい顔でフッと笑って 「いいよ、俺も駅だし 用事なら 歩きながら聞けばいいでしょ? …………………って聞いてる?」 ………つい、見惚れてしまった