グレープフルーツを食べなさい

「……美奈子が?」

「『どうしてそんな無責任なことできるんだ』って、オアシス部に怒鳴り込んできたらしいよ。あいつ、すげー剣幕だったって」

 まさか美奈子が、私のためにそんなことまでしてくれたなんて。

「やだ……嬉しい」

「ったく、嬉しいじゃないだろ。相良とか岩井田とか、話す順番がおかしいだろ。どうして俺が最後に知らされなきゃいけないんだよ」

「それは……本当にごめんなさい」

 私は素直に上村に頭を下げた。

 上村は当事者なのに、私が彼のことをはじめから蚊帳の外にしてしまった。今更ながら申し訳なく思えてくる。

「それに、俺は怒ってんだ。俺に黙って会社も辞めて、引っ越しまでして。てっきり岩井田の会社に行くのかと思ったら、実は妊娠してて。……しかも一人で産んで育てるってどういうことだよ」

「それはっ……」

 上村に詰め寄られ、私は俯いてスカートを握り締めた。