グレープフルーツを食べなさい

「……どうぞ」

「どうも」

 茶托に乗せた湯呑を手渡すと、上村は私が淹れたお茶を無言で啜った。

 私がお茶を用意する間も、上村はずっと腕を組んだまま。しかめっ面で壁の一点を睨みつけていた。

 緊迫した空気に耐えかねて、私はおずおずと口を開く。

「あの、上村何か勘違いしてるみたいだけど……」

「この期に及んで俺の子じゃないとか言うつもり? そんなわけないでしょうが」

 先手を打つつもりが、あっさり打ち返されて撃沈した。

 でも私はここで、怯むわけにはいかないんだ。

「黙ってて悪かったとは思うけど、私子供を堕ろすつもりはないから。あの日だって私から誘ったんだし、これからのこともちゃんと考えてる。私が勝手に決めたことだから、上村は気にすることな……」


「あんた、バカか」