グレープフルーツを食べなさい

 ……ショックだった。麻倉さんは、仕事でも上村のパートナーだったのだ。

 ――それに引き換え私は?

プライベートでも上村に助けられて、仕事でだって上村や他の営業社員たちを補うだけで、彼らと肩を並べているわけじゃない。

 私と上村は、対等じゃない。


「三谷さん、どうかされました?」

「あ、すみません。ぼうっとして。ちょっと食べ過ぎちゃったかな」

 私の作り笑いに、岩井田さんは気がついてしまっただろうか。

「それじゃあそろそろ出ましょうか」

 その後の岩井田さんは、いつもより言葉少なだった。