グレープフルーツを食べなさい

「そうだ! 実は今、2号店用のデザートの試作品をいくつか作ってまして。よかったらこの後食べていかれませんか?」

「えっ、いいんですか?」

 私より先に、岩井田さんの方が食いついた。岩井田さん、ひょっとしてお酒より甘いもの方が好きな人なんだろうか。

「もちろんですよ。すぐにお持ちしますね」

「新作のデザート食べさせてくれるって。やったね、三谷さん!」

「岩井田さん、甘いものお好きなんですね」

「はい、そりゃあもう」

 比良シェフがテーブルを去るとすぐ、試作品のデザートが運ばれてきた。どのデザートもフルーツがふんだんに使われていて、カラフルで可愛らしい。

「このスイーツをあのシェフが? ……いやあ、人は見かけによらないね」

「味も素晴らしいんですよ! 私もいただきます」

 私も岩井田さんも、テーブルの上のデザートに無我夢中でに手を伸ばした。

 それにしても岩井田さん、本当に甘いものに目がないんだな。会社の女の子たちはこのこと知っているのかしら?