「いらっしゃいませ、ご予約の岩井田様ですね」
岩井田さんが名前を名乗ると、ホール担当の女性が席へと案内してくれた。
前回、上村と来た時は個室だったけど、今日の席はホールの窓側の席だった。
この席からも、ガラス越しにレストランの中庭のグリーンや花壇に植えられた季節の花々が見える。
「じゃあ、とりあえず乾杯ってことで」
「はい」
私と岩井田さんは、華奢なグラスを合わせ乾杯をした。
岩井田さんがオーダーしたのは、上品で美しい黄金色の泡が立つシャンパーニュ。すっきりと甘くて、ワインよりも飲みやすい。
「……ああ、美味しいね」
「岩井田さん、お酒大丈夫なんですか?」
いつも一緒に飲みに行くたび私に付き合ってくれるけど、以前岩井田さんはお酒が苦手だと言っていた。


