グレープフルーツを食べなさい

「三谷さん、それが一番難しいんですよー」

「大丈夫だって。ほら、デザートごちそうしてあげるから元気出して」

「本当ですか!? じゃあ私、プリンパフェ頼む!」

 もうご機嫌が直ってる。響子って本当に単純だ。でもこんなところが無性にかわいいと思うんだけど。

 無邪気に笑う響子を見ていると、なんだか私まで元気が出てきた気がする。

「私もデザート食べようかな。響子メニュー取っ――」

「はい三谷さん、メニュー。……どうかしたんですか?」

 カフェの大きなガラス窓の向こうに、上村がいた。

 カフェの中に私がいることに気付いた上村と、一瞬だけ目が合う。でも、すぐに視線は逸らされた。

 ……上村の隣に、寄り添うようにして歩く女性がいる。

「あれぇ、あれって上村くんですよね。一緒の人、誰だろ?」

 そうか、響子はフロアが違うから彼女のこと知らないのよね。