グレープフルーツを食べなさい

 給湯室に戻り、後片付けをしていると廊下から誰かの足音が聞こえてきた。

「お疲れさまです」

 振り返ると、これから外出するのか、片手にビジネスバッグを提げた上村が立っていた。

「……お疲れさま」

 こうして、真正面から上村を見るのは久しぶりだ。とても長い間、彼と言葉を交わしていなかったような気がする。久々の上村は、かなり疲れが溜まっているように見えた。

「先輩、俺今すげー忙しいんだ」

「うん、知ってる。岩井田さんから聞いてるよ。他の人のフォローまでやってるんでしょ」

「もう、飯食う暇もないくらい」

 ……上村、何が言いたいの?