「本当にそれだけなのかしら? さっき私、『達哉は感情を表に出さない』って言ったけど、あの夜の達哉はなんだか違ったの。あなたのこと、心底心配していたと思うわ。あの子、あなたが傷つかないように必死だったと思う」
「……そうでしょうか」
母のことがあった夜、私は自分のことだけで精一杯だったから、上村がどんな様子だったかなんて覚えていない。祥子さんは、あの日の上村の優しさは、普段とは違う何か特別なものだったとでも言いたいんだろうか。
「こんなこと私が言うべきことじゃないんでしょうけど。香奈さん、達哉のことを諦めないでいてあげて」
ああ、やはり祥子さんは気付いてるんだ。上村の気持ちはともかく、私が上村に惹かれていることを。
「……そうでしょうか」
母のことがあった夜、私は自分のことだけで精一杯だったから、上村がどんな様子だったかなんて覚えていない。祥子さんは、あの日の上村の優しさは、普段とは違う何か特別なものだったとでも言いたいんだろうか。
「こんなこと私が言うべきことじゃないんでしょうけど。香奈さん、達哉のことを諦めないでいてあげて」
ああ、やはり祥子さんは気付いてるんだ。上村の気持ちはともかく、私が上村に惹かれていることを。


