「良かったらどうぞ」
「ありがとうございます」
土井さんから缶コーヒーを受け取り、一口飲んだ。冷たいコーヒーがカラカラに乾いた喉を滑り落ちる。土井さんに突然声をかけられた理由がわからない私は、漠然とした不安を感じ緊張していた。
「あの子……達哉は、私の姉の子供なの。私は姉より達哉との方が年が近いから、子供の頃は兄弟みたいにして遊んでたわ」
「ああ、それで上村くんは土井さんのことを祥子さんって呼んでたんですね」
「そうよ。でもどうしてそれを?」
「土井さん、先日会社にいらしてましたよね。実はあの時、私も土井さんのことお見かけしたんです」
「ああ、三谷さんもあそこにいらしたのね。ねえ三谷さん、良かったら私のこと名前で呼んでくれない? 私もあなたのこと、下のお名前で呼ばせてもらってもいいかしら?」
「もちろんです。――私、香奈っていうんです。三谷 香奈」
「香奈さんね。素敵、かわいらしいわ」
祥子さんの心遣いに心が温かくなる。きっと私が緊張していることに気付いたんだろう。母以外の人に下の名前で呼ばれるなんて久しぶりで、少しこそばゆかった。
「ありがとうございます」
土井さんから缶コーヒーを受け取り、一口飲んだ。冷たいコーヒーがカラカラに乾いた喉を滑り落ちる。土井さんに突然声をかけられた理由がわからない私は、漠然とした不安を感じ緊張していた。
「あの子……達哉は、私の姉の子供なの。私は姉より達哉との方が年が近いから、子供の頃は兄弟みたいにして遊んでたわ」
「ああ、それで上村くんは土井さんのことを祥子さんって呼んでたんですね」
「そうよ。でもどうしてそれを?」
「土井さん、先日会社にいらしてましたよね。実はあの時、私も土井さんのことお見かけしたんです」
「ああ、三谷さんもあそこにいらしたのね。ねえ三谷さん、良かったら私のこと名前で呼んでくれない? 私もあなたのこと、下のお名前で呼ばせてもらってもいいかしら?」
「もちろんです。――私、香奈っていうんです。三谷 香奈」
「香奈さんね。素敵、かわいらしいわ」
祥子さんの心遣いに心が温かくなる。きっと私が緊張していることに気付いたんだろう。母以外の人に下の名前で呼ばれるなんて久しぶりで、少しこそばゆかった。


