グレープフルーツを食べなさい

仕事の話をして誤魔化すと、響子はほっと息を吐き出した

「なんだあ、いきなり驚かさないでくださいよ」

「ホントにごめん」

 響子に謝ったところで、ちょうどエレベーターがオアシス部がある三階に着いた。

「あ、じゃあまたね響子」

「はーい、おつかれさまです」

 響子に手を振って、エレベーターから降りる。

 ……思い出した。先日、不在の上村宛に電話を掛けてきた女性。彼女は確か『土井 祥子』と名乗った。

 そして私の部屋で上村が不機嫌になったのは、私があの女性の名前を出してからだ。彼女は一体何者なんだろう?