グレープフルーツを食べなさい

 私と上村がオアシス部へ異動したての頃は、美奈子があちこちに八つ当たりをしたりして、部内はかなりぎすぎすしていたらしい。

 それが最近になってようやく落ち着いてきたと思ったら、今度は美奈子が急に張り切って仕事をし出したという。まあ仕事と言っても、響子が言うには主に『仕切ること』らしいけれど。

「ふうん、あの美奈子がねえ。でもいいことじゃないの」

 少しでも楽をしようと、仕事をサボることばかり考えていたあの頃の美奈子に比べたら、仕事に興味を持つだけでも大進歩だ。

「良くないですよ。美奈子がどんどん仕事を押しつけてくるせいで、最近私、毎日残業ですよ!?」

 響子はまだまだ話したりないみたいだったけど、そろそろ戻らないと昼休みが終わってしまう。渋る響子を何度も急かして、会社まで歩いて5分の道のりを駆け足で帰る。