「はじめまして、上村と申します。香奈さんとお付き合いさせていただいてます。ご挨拶が遅くなり申し訳ありません」
上村は、母に向かってきちんと頭を下げた。母の表情が、驚きからみるみる笑顔に変わる。
「え? え? そうなの、香奈」
「うん。今日は照国神社の六月灯でしょ? 彼とこの後出かけるの」
「そう……、そうなのね」
母の目にじわりと涙が浮かび、一筋の線を作った。母は仰向けのまま目のふちに指先を当て、次々に溢れてくる涙を拭った。
「よかった……よかった、本当に。上村さん、香奈のことよろしくお願いします」
「はい、どうぞ安心なさってください。香奈さんには僕がついていますから」
上村の力強い言葉に安心したのか、母は一度大きく頷くと、またゆっくりと目蓋を閉じた。すぐにまた、母は小さな寝息を立てはじめた。
母の寝顔は、幸せな夢でも見ているかのような、とても穏やかなものだった。
上村は、母に向かってきちんと頭を下げた。母の表情が、驚きからみるみる笑顔に変わる。
「え? え? そうなの、香奈」
「うん。今日は照国神社の六月灯でしょ? 彼とこの後出かけるの」
「そう……、そうなのね」
母の目にじわりと涙が浮かび、一筋の線を作った。母は仰向けのまま目のふちに指先を当て、次々に溢れてくる涙を拭った。
「よかった……よかった、本当に。上村さん、香奈のことよろしくお願いします」
「はい、どうぞ安心なさってください。香奈さんには僕がついていますから」
上村の力強い言葉に安心したのか、母は一度大きく頷くと、またゆっくりと目蓋を閉じた。すぐにまた、母は小さな寝息を立てはじめた。
母の寝顔は、幸せな夢でも見ているかのような、とても穏やかなものだった。


