上村はさっきの女性に気付いたらしい。ゆっくりと私に視線を戻すと、続けて問いかけた。
「ひょっとして、あの人のこと見てた?」
「……うん」
たぶん上村は、私が母のことを考えていたことに気付いたんだろう。それ以上そのことには触れず、車を停めたコインパーキングに向けて再び歩き出した。
私も黙って上村を追う。パーキングに向かう途中でも、浴衣姿の女性や子供と何度かすれ違った。
車に乗り込んでからも上村は無言だった。BGMも流れない、静かな車内がなんだか息苦しくて、私はずっと窓の外を眺めていた。
「あ」
「どうしたの?」
それまで静かだったのに、急に声を発した上村に驚いた。信号で停まった交差点で、上村は私とは逆の方を向いていた。
「今日じゃない? 照国神社の六月灯。先輩、見て」
「ひょっとして、あの人のこと見てた?」
「……うん」
たぶん上村は、私が母のことを考えていたことに気付いたんだろう。それ以上そのことには触れず、車を停めたコインパーキングに向けて再び歩き出した。
私も黙って上村を追う。パーキングに向かう途中でも、浴衣姿の女性や子供と何度かすれ違った。
車に乗り込んでからも上村は無言だった。BGMも流れない、静かな車内がなんだか息苦しくて、私はずっと窓の外を眺めていた。
「あ」
「どうしたの?」
それまで静かだったのに、急に声を発した上村に驚いた。信号で停まった交差点で、上村は私とは逆の方を向いていた。
「今日じゃない? 照国神社の六月灯。先輩、見て」


