「ここのオーナーシェフ、僕の親父なんですけど、本当に昔気質で頑固で。二号店のお話をいただいて、僕はすぐにチャレンジするべきだって言ったんだけど、親父は『今いるお客様のために精一杯出来ることをやればいい、二号店なんて必要ない』って言い張るばかりだったんですよね……」
比良さんはその頃のことを思い出したのか、苦笑いを浮かべた。
「僕も東京のホテルで学んできたことを活かしたくて。使う素材にしろ料理のやり方にしろ親父と一緒にどんどん新しいことにチャレンジしたかったんですけど、親父はずっと僕のこと全否定で。仕事への情熱を失いかけていた時に上村さんに出会ったんです」
そう言って比良さんは、黙ったままの上村を見る。それに応えるように、上村は手にしていたカップをテーブルに置いた。
「一度、ちょうどランチで店が混んでいた時に上村さんがいらしたことがあって、僕に『お客様の顔を見てみてください』って」
比良さんはその頃のことを思い出したのか、苦笑いを浮かべた。
「僕も東京のホテルで学んできたことを活かしたくて。使う素材にしろ料理のやり方にしろ親父と一緒にどんどん新しいことにチャレンジしたかったんですけど、親父はずっと僕のこと全否定で。仕事への情熱を失いかけていた時に上村さんに出会ったんです」
そう言って比良さんは、黙ったままの上村を見る。それに応えるように、上村は手にしていたカップをテーブルに置いた。
「一度、ちょうどランチで店が混んでいた時に上村さんがいらしたことがあって、僕に『お客様の顔を見てみてください』って」


