グレープフルーツを食べなさい

 一緒に食事をするだけとはいえ、最近家では上村と二人で過ごすことも多いから、なんとなく親しくなったつもりになっていた。

 でも、私は上村の家族だとか恋人だとか、そういうことは何も知らない。私は鳴沢さんや母のことを話しているのに、だ。

 何だか私ばかりが自分のことを話していて不公平だ。上村だってもうちょっと私を信用してくれてもいいのいに。上村にいいように乗せられているみたいで悔しい。

 私は、机に置きっぱなしにしていた書き損じのメモをくしゃくしゃにして勢いよくゴミ箱に投げ捨てた。