グレープフルーツを食べなさい

 オアシス部に戻ると、エネルギー部から異動してきた女の子が話しかけてきた。彼女は今、上村の補佐をしている。

「三谷さん、見ました? コンサルの麻倉さん」

「麻倉さんって?」

「女性が一人同席してませんでした?」

「ああ、あの方麻倉さんっておっしゃるの? 凄く素敵な人だったわ」

「でしょう? 私も前回の打ち合わせの時に見かけたんですけど、美人だし、女性で第一線で働いてるなんてちょっと格好いいですよね」

「本当ね」

 麻倉さんは男性ばかりの中にいても、女性だからと変に気負うことなく、とても自然だった。

 ああいう風に男性に混じって仕事をする人もいるんだ。

 長年、ここの保守的な環境に染まってしまった私には、彼女の姿はとても新鮮に映った。