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それから数年後。







「アツシ!」

「何だぁ?」

「早く行こうよぉ!」

「はいはい」





俺は子どもみたいにはしゃぐ亜美菜を追いかける。

車に乗り込み、目的地に向かう。




「やっぱり良いねぇ、木の良い香りがするよ」

「そうだな」



広々とした新築の我が家を見て、早速引越しの荷物の整理。




高校卒業後、俺は亜美菜と結婚した。

俺の両親も亜美菜の両親も承諾し、今日引っ越してきた。

亜美菜の腕には、小さな赤ん坊もいる。

勿論、俺と亜美菜の子ども。

男と女で、男は“優(すぐる)”。

女の方は“希海(のぞみ)”。

優の方がお兄ちゃんだ。