愛された先パイ









「止めるのをやめた!?
どうしてですか?」

「・・・殺された人、殆ど男でね。
ある共通点を持っていた」

「共通点?」

「そう。
・・・俺をいじめていた連中」

「へ?」

「俺ね、中学の頃いじめられてた」

「そうなんですか?」

「そう。
俺、こう見えて人見知りでさぁ。
リクしか友達いなくて。

その点リクはモテるし優しいから、友達も女も腐るほどいた。
それなのにリクは俺と一緒にいた。

男たちは、俺を許せなかったみたい。
嫉妬ってやつなのかな・・・?

そいつらに、いじめられた。
リクには教えなかった。
教えたらリクもいじめるって脅されたから。

リクをいじめられるのも許せないけど。
リクをいじめたら、こいつらは確実に殺されるとわかっていたから。
俺は教えなかった。

後日、男たちは死んだ。
処理を手伝ったのは俺。
俺はどうしてこいつらを殺したって聞いた。
リクが殺すのは、自分に付きまとう女子だけだから。

リクは笑って答えた。
『アツシをいじめていたから』って。

いじめのこと、リクには筒抜けだった。
思えば、リクに隠し事は出来なかった。
全てばれてしまうから。

だから、俺はリクをやめなかった。
リクはただの快楽殺人者じゃない。

俺のために犯した罪もあるんだ。

リクが男たちを殺したのは、俺のため。
俺はリクから離れないって決めたんだ。

俺が離れるときは、リクが本気で殺さずに愛することのできる女が出来る日。

もう出来たみたいだからね、俺はそろそろリクから離れるよ。
友達はやめないけどね?」