「・・・今井くん」
「何？」
「今井くん、１つだけ間違っています」
「へ？」
俺が・・・
間違っている、だと・・・・？
「あたしが好きなのは、成島くんじゃないです」
「へ？」
「あたしが好きなのは・・・今井くんです」
「・・・俺？」
「確かに、最初は成島くんが好きでした。
でも、どこか完全に好きではなかったんです。
彼には、どこか闇があるような気がして・・・。
あたしの友達も・・・友美恵も成島くんが好きでした。
でも、どこか怖いって、友美恵は言っていました。
多分・・・直観ですね。
あたしも友美恵も勘が鋭いって言われますから。
友美恵の妹、友衣奈ちゃんは気が付いていなかったみたいです。
成島くんが完全に好きだった。
だから成島くんの彼女である後輩さんを、嫌ったんです」
「そうなんだ・・・」
本当に鋭いな。
闇があるなんてさ。
普通は気が付かねぇぞ？
「っていうか、
有明はリクに闇があると気づきながらも、妹さんの恋を応援したのか？」
「はい・・・。
しょうがないですよ。
あの２人は、心の底から愛しあっていましたから」
