愛された先パイ








「リクっ・・・?」

「ごめんね。
これで穴掘ってくれない?」



渡されたのは、スコップ。

途端に、ミホを思い出す。



「リク・・・お前、何した?」

「良いから掘って。
説明はめんどくさいから後で」





―――『リクに逆らわない方が良いわよ』



おばさんの声が再生された。

俺は無言でスコップを受け取り、穴を掘った。



「どれぐらい?」

「うん、これぐらいだね」



リクは袋に詰まった“何か”を、掘った穴の中にいれた。



「穴を埋めよう」

「ああ」




2人で穴を埋めなおす。

多分、あの袋の中身は死体だ。

誰だかはわからないけど、多分女。

クラスメイトの・・・誰かだ。