愛された先パイ








刑事さん2人は、ヒヨコにもアリバイを聞いていた。



「私は、先パイと帰る予定だったので、校門の所で待っていました。
でも、先パイからメールで帰れないと聞いて、1人で家へ帰りました。
その先、私は家まで1人で帰りました。
その後ずっと家で1人だったので、アリバイはありません」

「・・・そうですか」



アリバイがないので、刑事さんはヒヨコを疑うような目で見た。



「・・・あの、刑事さん」

「どうしましたか?」

「確かにヒヨコにはアリバイはありません。
でも、ヒヨコは梓さんと何の関係も持っていません。
梓さんは生徒会長でしたから、顔は知っていたかもしれません。

ヒヨコに動機はありません」



俺が言うと、刑事さんは納得したように頷いた。

ヒヨコを見て笑うと、ヒヨコも笑い返してくれた。







結局、何もわからぬまま、警察は帰って行った。





授業に出ないといけないので、俺はヒヨコと別れた。

誰も見ていない所で、濃いキスもした。




教室へ戻ると、アツシが授業中にも関わらず飛んできた。



「大丈夫だったか?ヒヨコちゃんも」

「大丈夫。
俺にはアリバイあったし、ヒヨコには動機がない。
刑事さんも帰って行ったよ」

「良かったなぁ!」