愛された先パイ









「大丈夫でしたか、先パイ」

「ヒヨコ・・・待っててくれたのか?」

「はい。
心配で、授業なんて受けていられませんよ」

「真面目に授業受けないと駄目だよ」



俺が笑うと、ヒヨコは心配そうな顔から一転、微笑んだ。



「お嬢さん」



俺を取り調べた刑事さんが、ヒヨコに声をかける。

ヒヨコの顔から、笑顔が消えた。

小さく震え始め、俺のブレザーの裾を掴んだ。



「お嬢さんにもお話をお聞きしたいのですが?」


ヒヨコの震えに気が付かないのか、刑事さんは呑気に話す。



「俺も同伴しても?」

「何故君が?」

「俺はヒヨコの彼氏です。
ヒヨコを守ると決めたんです」



こんなに震えるヒヨコを、放って行くことなんて出来ない。



「・・・構いませんよ」



俺はヒヨコの手をつなぎ、部屋へ入る。



「大丈夫、俺が守ってやるから」

「・・・ありがとう、リク」