愛された先パイ










「申し遅れました。
わたしは、相島(あいじま)といいます」

「僕は沢木(さわき)です」




校長室の隣にある部屋で、警察2人は名乗ってくれた。

相島さんより、沢木さんの方が若そうだ。



「昨日、楠木さんと最後までいたそうですね?」

「はい。
でも、俺は殺してなんていません」

「楠木さんに、何か変化はありましたか?」

「ありませんよそんなこと。
俺と先輩は、学級委員と生徒会長という間柄です。
深い関係は持っていません」

「ではあなたは、昨夜何時にお帰りになられましたか?」

「うろ覚えなんですけど、良いですか」

「構わないよ」

「12時には家にいましたから・・・。
学校から自宅までは、15分ぐらいです。
昨日は夕ご飯を買いに、コンビニに寄りましたから・・・。
学校を出たのは、11時半ぐらいだと思います」

「・・・そうですか」

「犯行時刻って、何時ぐらいなんですか?」

「11時45分ぐらいです」

「なら、俺はいませんね。
その時間帯だと、コンビニから帰る途中ですね」

「そのコンビニ、どこですか?」



アリバイ調べか。



「ここから近い、コンビニです。
昨日俺を見かけた店員さんがいたら、俺のこと覚えているはずですよ」




後日、俺を覚えていた店員さんがいて、俺のアリバイは立証された。