「リクくん、終わったの?」
「ええ。帰っても良いですか?」
「あら。何か用事でも?」
「いえ・・・そういうわけでは」
用事はあった。
ヒヨコと帰ること。
でも、ヒヨコが帰った今、俺に用事なんてない。
「なら手伝ってくれない?
それとも、先輩の言うこと聞けないかしら?」
「聞きます」
なんていうのかな・・・無言の圧力って言うのか?
梓さんは笑いながら言うけど、目の奥は笑っていないと思うんだ。
はぁ・・・。
俺は梓さんにばれないように、溜息を吐いた。
帰りたいな・・・。
で、ヒヨコの声を聞きたいよ・・・。
会いたいな・・・。
会イタイナ・・・。
声を聞きたい。
声ヲ聞キタイ。
会いたいよ・・・。
会イタイヨ・・・。