「そんな・・・ひどいよ」
「私だって嫌でしたよ・・・。
でも、1番嫌だったのは、校長先生でした」
「何で校長?」
「校長は、マスコミに自分の学校の生徒がいじめを受けているって知られたくないって理由だけで、私に転校してくれって言ったんです。
私がいれば、いつかマスコミに知られるって、被害妄想して」
「そうなのか!?
でも、ご両親やお姉さんが許すはずないだろう」
「両親も姉も、私の転校にもいじめにも、関心はありません・・・」
思い出したのか、泣き出すヒヨコちゃん。
俺は思わず、
・・・抱きしめた。
「せんっ・・・ぱ・・・」
「泣いて良いよヒヨコちゃん。
俺が傍にいてあげるから」
この小さな少女を、
壊さぬよう、
大切に、
俺は抱きしめた。
そして、彼女に言った。
「・・・好きだ、ヒヨコ」
「せんっ・・・」
「ヒヨコを、守りたいんだ、俺が」
「・・・わた・・・しもです・・・。
好きですっ・・・先パイ!!」