最後の講義が終わり、サークルも部活も入っていない私は直帰した。



なんだか今日は初めてなことが多すぎて疲れてしまった。



まさか食堂で先輩に話し掛けられるとは思いもしなかったな。



まだ誰も帰っていない家に着いた私は部屋に直行した。



私の家族は父と母と弟と私の4人家族。両親は別々の職場で働いていて、毎日帰りが遅い。高校生になったばかりの弟は部活に励んでいる。



ある事件から私は両親とはあまり会話をしなくなった。弟の実(ミノル)は気が合うらしく、夜は私の部屋で今日あったことなどお互いに話す。




「あ、実に夕飯つくってやらなきゃ」




そう思い出して、家では邪魔になる髪の毛をポニーテールにして前髪もあげておでこを出す。



ふー、視界が広い。



キッチンに行き、私と実の分の夕飯をこしらえる。きっと両親は食べないから。