それから私は走った。 隆太さんの教室。3年F組へと。 ーーー会いたい。今すぐ、隆太さんに会いたい。 頭の中は、それだけだった。 休み時間で賑わっている3年生の廊下を駆け抜ける。 いつもだったら気にしてしまう先輩の視線も今は気にならなかった。 『隆太さんっっ!!!』 教室のドアを開けるなり、そう呼んだ。 そんな私に、先輩たちはひそひそと話し始めた。 ………う、うわぁ。なに言われてるんだろう。 今になって気になってきちゃったよ………。