さっきから、ずっと呆れ顔だった瑞穂。
それが、すっと真顔になったと思うと瑞穂はゆっくりと口を開いた。
「確かに、3年生の教室へ行くのは勇気がいる。でも、あんたこのままでいいの?このままだとどんどん関わりも減っていって、なにもないまま卒業していっちゃうんだよ?それでもいいの?」
瑞穂に言われて、私は俯きがちだった顔を上げた。
………そっか。隆太さんは3年生。これから本格的に受験体制に入って、あっという間に卒業していっちゃうんだね。
「陽菜。恋っていうのはこういうものだよ。会いたいって思うなら会わなきゃ。話したいって思うなら、話にいかなきゃ。
もう、そうなったら、他の人なんて気にしなくていいんだよ。一直線に、会いたい人に、話したい人に。…好きな人に向かっていけばそれでいいんだ。
恥なんて捨てろ。好きなら本気で食らいつけ。…ね?」



