『確かに。試合しか見たことなかった。じゃあ、先奥行くね!!』 「おぅ!またこいよっ」 にこやかに手を振る光瑠に背を向けて私は駆け出した。 一刻も早く、隆太さんに会いたい。 そんな気分だったから。 …………はぁ、はぁ。 剣道部の体育館を開け、呼吸を整える。 そして、いつも隆太さんがいる奥へと向かった。 そこには、数人を相手に教えている隆太さんがいた。 「もっと、こうやって。うん。」 身振り手振りで教える隆太さん。