初恋は涙色に輝く…



そのとき、部長さんがこっちを向いたと思うと、さっきの笑顔でぶんぶんと手を振ってきた。


私は一瞬、部長さんの目が私を捉えたと思って目が離せなくなった。

部長さんの優しい綺麗な瞳に、胸が高鳴るのを感じた。


「うーす!さすが部長だなっ!」

「ホントホント。安定のかっこよさじゃん!!」

「そんな褒めてもなんも出ねーぞ!」


なんとなく、部長さんのそばにいるのに気が引けて私は少し離れた場所に移動した。

なんでかな。はっきりとした理由はないんだけど。

さっきまで、剣道をバカにしてた罪悪感みたいなものかなって思う。


だって、バカにしてたくせに、かっこいいところ見た途端に態度変わるとか。

超都合良いやつじゃん。

やだやだ。そんな風になりたくないもん。