私の傷心は思っていたより大きかったのかもしれない。
少なくとも、全線周りが見えていなくて。
明らかに悪そうな人を目前にしてもビビることなく。
最終的に、その人相手に怒鳴る始末。
さすがにキレた男の人は、無理矢理私の腕を掴み、立ち上がらせた。
「…さっきから、下手に出れば舐めた口ききやがって。ちょっと来いよ。」
爪が食い込むくらい強く腕を捕まれて引っ張られていく。
『離してよ!!離せって!!』
私がどれだけ抵抗しても、男の力には逆らえなかった。
諦めて体の力を抜こうとしたとき、男の手と私の腕はどこからか現れた第3者の手によって引き離された。
驚いた私は、その人の顔を見る。
そこには、真冬にも関わらず汗だくな隆太さんがいて、隆太さんは私が今まで見たことのない鋭い目付きで男を睨んでいた。



