と、喜んだのはつかの間。
友美さんの口から飛び出した言葉に私は焦る。
「それじゃあ、初恋の人聞いちゃおう!」
友美さん達からしたら大分お手柔らかにしたこの意見。
すべてを知っている瑞穂は、取り消そうと頑張ったみたいだけど手が及ばなかったみたいだ。
「うん、決まり!陽菜ちゃんの初恋の人教えてもらおっ!」
のりのりで聞いてくる友美さんに、返事を望むみんなの顔。
私は、他の男子を必死に思い浮かべるものの全くと言って良いほど出てこない。
それはまあ、当然と言えば当然で。
そういう目で男子を見てみた去年の夏。
近くにいた男の人は、今ここにいる3人なんだから。
私は、ごくりと息を飲む。
……もう知らない。どうなろうと関係ない。
どうせ叶わない恋だ。
ここで終わらせてしまえばいい。



