私はなんとなく視線を泳がせて、隆太さんから離れていった。
少しずつだけど、後ろに下がっていく。
そうしたら、自然に仮設ステージの段差に足が当たって私は座り込んだ。
すぐ後ろから、すべてを知る蓮斗くんの息を飲む音が聞こえてくる。
……このタイミングで隆太さんの彼女とご対面。
しかも、隆太さん、私に彼女紹介してくれなかった。
…去年は、早く伝えたかったって言ってメールしてきたのに。
…え、え?
私はもう、隆太さんからそんなに遠い人になっちゃってたの?
信じたくない現実にも気づいてしまった私は、もう、俯くしかなかった。
ただただ、下を向いて俯く私に、蓮斗くんは、なにか言おうとしていたようだけど、結局言葉が見つからなかったのか、なにも言わず私のとなりに座り込んだ。



