その間も、私の心臓は嫌な音を立てていた。 「隆太?」 「…ん?」 その人は、隆太さんにも声をかける。 「…あれ、なにその子。知り合い?」 「うん。」 私の方をひょいっと覗いたその顔に、私は嫌な予感が的中していたことを知る。 …私を見たその顔は、この前ショッピングセンターで見た隆太さんの彼女だった。 「こんにちはー」 『…あ、こん…にちは。』 なにも動じない様子で私に笑いかけながら挨拶をしてきた隆太さんの彼女に、私は彼女の余裕というものを感じる。