「すごいねーー、本当にこれ即席のバンドなの?」
「そーっすよ、俺ら超頑張ったんで!」
「光瑠。そういうのは人に言わない方がいいの。影の努力がかっこいいんだよ。」
驚いた風に手を叩いて誉めてくれた友美さんに、光瑠が肩にかけていたギターを下ろしながら応える。
さらに、キーボードに布をかけていた瑞穂が会話に加わって、そこから3人で会話に花を咲かせている。
「和馬さーんっ!おひさっす!!」
「おー、お前、ドラム出来たんだなー」
飛び付くようにして仮設ステージから、和馬さんに向かって飛び下りる橋本くん。
その姿にケラケラと笑って応える和馬さんだけど、私は見逃さなかった。
…一瞬、ぎょっとした顔をしてほんの半歩だけど後ずさったのを。
蓮斗くんは、みんなのそんな様子を見ながらベースを下ろし、肩をぐるぐるとまわしている。



