『友達、戻ってくれるの…?』

「うん。あ、もちろん陽菜が良ければだけど。」


かるーく言う蓮斗君は、もういつもの調子に戻っている。


『も、もちろん!!』

「いや、力込めすぎでしょ。」


笑いながら、蓮斗君は教室のドアに向けて足を動かす。

途中で思い出したように戻ってきてぎゅっと私を抱き締めた。

そして、体を離すときれいに微笑む。


「話聞いてくれてありがと。また、夏休み明けに。」


そう囁いて、教室から出ていった。


静かになった教室で、私は1人、顔を赤らめていた。