初恋は涙色に輝く…



「またね、おねーちゃん。」

『うん、またね。花菜ちゃん』


手を振って、友達の方へ行きかけた花菜ちゃんは、思い出したように止まってもう1回こちらを向いた。


「あのね、ママがね!なやみごとは、考えるひつよーないって言ってた!!考えすぎるともっとなやんじゃうって。だからね、じぶんの思ったよーにすればいいんだって!」

花菜ちゃんは「花菜は、あんまりどーゆーことかわかんないんだけど」と、恥ずかしそうに笑って走っていった。


私は、驚いて、固まっていた。


小学校低学年の子がこんなことを言ったのも驚きだったけど、それ以上に内容だ。

花菜ちゃんが言ったことは、すーっと私の中に入っていったんだ。

あまりにも違和感なく。


『…はは。ありがとう、花菜ちゃん。』


深く、考えすぎるとこだったよ。

私は、私の思うままに。行動していく。