「…あ、のさ。陽菜。」 恐る恐ると言ったふうに話しかけてくる光瑠。 光瑠のくせに、珍しい行動だな。 「蓮斗…のことだけど。あいつ、馬鹿にして言った訳じゃないと思う。」 あぁ、光瑠。私が怒ってるって思ってるのかも。 『大丈夫だよ。分かってるから。…あと、怒ってないし!』 私の言葉に、光瑠は安堵の息を漏らした。 「はは、良かった。じゃあ、俺、部活行くな。」 「…あー、待って。私もいくから。」 練習メニューが決まったらしい瑞穂も慌てて教室を出ていった。