「ねぇ、意味分かってる?」
蓮斗君は、それまで1度も止めることがなかった手を止めて、まっすぐ私を見据えた。
それを見た私は、ぴくっと体が反応し、動けなくなる。
『い、意味って……?』
私が恐る恐る訪ねると、蓮斗君は大きくため息を漏らした。
「望月は無理じゃないんだよ?寧ろ、全然良い。」
そこで1度区切って蓮斗君は、私にそっと近付く。
私は、その動作に、反射的に目を固く瞑った。
「……だからさ、頼むからそんなに硬くならないでよ。」
その言葉に驚いて目を開けると、蓮斗君は、立ち上がった状態で机に手をついて俯いていた。



