いつもは、通学路で会うことなんて全然ないのに。
…あ、出るの遅かったからか。
「あ、陽菜。この時間珍しいなー!」
なにも変わらない様子で話しかけてくる隆太さん。
『…あ、いや……お、きれなくて…』
ぎこちなくしか話せない自分に嫌気がさす。
「もしかして昨日調子悪かった?」
『……そ、そうなんですよー。メール返せなくてごめんなさい…!』
メールの返信をしなかったからと分かった私は咄嗟に嘘をついた。
「そっか、ちょっと目赤いからさ。
そんなときにいきなりメールして悪かったなー。」
『い、いえ。全然です!!』
そういうと、隆太さんは申し訳なさそうにごめんとつぶやいた。



