【短編】髪にキス。




そう言って車を発信させた。


「帰りたくない。」


ぶすったれてそう言うすみれに声を立てて笑った俺は、前を向いたまま言った。


「誰が帰るなんて言った。
すみれは今日俺の家に強制拉致だ。」


「え、」


三十路にもなってドキドキするとは、俺もまだまだ若いってことだな。


「帰ったらお前を寝かせて俺はDVDを見る。」

「えー彼女がいるのにエロビなんて見るの?」

「誰がんなもんみると言った。
ふつーの映画だよ、ふつーの!」

「私寝ないから。邪魔してやる。」

「わがままだな、すみれは。」