【短編】髪にキス。




「先生は生徒を家に上げられません。」

お返しにそう言ってやると、助手席から急に身を乗り出した。

「おい?」

「私はもう生徒じゃないもん、やだ。」

必死にそう言って、唇にすみれのそれを押し付けた。

「…酔ってるな。」

「先生…キスして…」

きっと、今まで辛いおもいをしてきたんだろうと、改めて気づかされた。

「ここ駐車場だからダメだ。」

「先生っ」

「俺はもうお前の先生じゃない。
…思い知らせてやるから黙っとけ。」