【短編】髪にキス。




年始早々だったため、結局無難に神社に行った。


「私初詣とか初めて。」

「はぁ?それでも日本人か。」

寒いし面倒臭くて誘われても行かなかったと言った彼女に、ため息を付くとニヤリとして言った。


「じゃあやめるか?」

「仁となら行きたいからいーの。
大人のくせに大人気ないねー、ばか。」


…こういうところが年相応で可愛い。

夕焼けの神社は朱に染まって幻想的だった。