【短編】髪にキス。






「待っててね、先生。」


「あぁ。」


そういった先生の黒髪に泣きながらキスをした。

私の精一杯のワガママ。


「さよならの前に、いいものあげる。」


クリスマスプレゼントだよ、と言って私は先生の首筋に吸い付いた。


驚いた顔の先生に、私は妖艶に笑って見せる。


「首筋にキス、意味知ってる?」


「バカだな、またそれか。」


先生は大人だから、お返しなんてしない。



そうわかってるから、私は安心してワガママできる。