「先生、なにを……」


首だけひねってこちらを向いた蒼井は目を見開いた。


そんな蒼井を見つめたまま、そっとツヤのあるそれに唇を落とす。



「髪にキス。

…意味、知ってるか?」


お返しとばかりにそう言って笑ってみせた。


「…ばか。」


「お前もだろう。
…写真を見つめるくらいなら会いにこればいいのに。」


そう言って笑うと、顔を真っ赤にした蒼井は走り去って行った。


「…こいよ。」


彼女の見つめていたのは体育祭の写真で。


偶然だったのか、友達と蒼井、そして俺が映った写真が飾られていたーー。