もう馬鹿、唯香っ。
そうやって心の中、叫びながら
私の脳内では、次に会った時の唯香が
どんな行動をとるかシュミレーションが始まる。
多分……唯香は、
私をちょっと覗き込むような感じで見つけて
謝るんだ。
そんな光景が浮かび上がって、
私は溜息を付きながら一気に体を起こした。
出社準備しなきゃ。
一気に起こしすぎた体は、
頭痛を伴う。
「っイたぁぁぁぁ」
慌てて二日酔いの頭痛に苦しむ頭を
両手で押さえるようにしながら
ゆっくりと体を起こして、
シャワーを浴びに出掛ける。
熱いお湯と冷たい水を交互に浴びながら、
素肌を見つめると、虫刺されの後が
大きく広がってる。
バカは私だ……。
再び、溜息を吐き出すと、
そのままシャワーを浴び終えて、
仕事用の服へと着替える。
鎮痛剤の服用は忘れずに。
自業自得の朝。
それでも……部屋の中の託実は、
優しく微笑み続ける。
*
おはよう……託実。
*
天井から見つめ続ける
託実と壁に飾られてる託実に挨拶。
新しい1日が始まる。
1日1日を
精一杯歩いてく。
そんな時間の積み重ねが、
託実に繋がっていくような気がするから。
暫くはLIVEの予定もないから
次に会えるのは、FC旅行の日。
託実が教えてくれた、
私の苦手な朝が眩しく輝き続けるから。
その光の方へ、
私は歩いていくんだ。
今日より、
前へ進むために……。